実行委員長挨拶

本年も恒例の全国竹芸展の時節となりましたが、新型コロナウイルス感染拡大によって、残念ながら、従来の方法での開催を断念せざるを得ませんでした。竹工芸を強く推進する大田原市の後援で、全国の竹工芸作家とファンの皆様の熱意に支えられ、今年で25周年となるはずでした。四半世紀にわたり大田原の地で灯り続けてきた身近で親しみやすい竹工芸展の火を、なんとしても消してしまうことのないよう、私ども実行委員会一同知恵を絞りました結果、本年はウェブ上にて回顧展を開催することといたしました。
 これまでに出品された作品の中から30点を選び、新たに講評をつけました。また、過去24回の全ての受賞作品の写真も、それぞれの年ごとにご覧になれます。やむを得ず実施した回顧展ではありますが、このようにまとめてみますと、アマチュア展から出発した全国竹芸展の四半世紀におよぶ足跡が良く分かり、温故知新と申しますか、私ども実行委員会はもとより作家の皆様におかれましても、これからの竹工芸や展覧会の方向性を考える上で良い機会になるのではないかと期待しております。
 今後の開催形態を従来通りとするかウェブ上とするかは、感染状況を見極めて判断いたしますが、来年以降、再び新たな作品を募集することを予定しておりますので、作家の皆様には是非とも熱心な作品作りを継続していただきたく、お願い申し上げます。
 最後に、報道および各団体の皆様の温かく継続的なご支援がなければ、本展がここまで発展することは到底不可能でした。心から御礼申し上げます。私ども実行委員会といたしましても、これまで以上に多くの竹工芸ファンの皆様に感動と喜びをお届けできますよう、展覧会の創意工夫に精進いたしますことをお誓い申し上げます。今後とも全国竹芸展を何卒よろしくお願い申し上げます

全国竹芸展実行委員会

委員長 八木澤 正